1982年制作
帖佐美行
フジサンケイクラシックの勝者に贈られる、このトロフィの、羽ばたく双頭の鳳凰は現代わが国彫金芸術界の最高権威者、帖佐美行氏によって、生き生きと彫り出されている。
古く、中世オーストリアの皇室、ハプスブルグ家の家紋として、500年にわたりヨーロッパに君臨した「双頭の鷹」は、その後、キング オブ バードの「双頭の鷲」に姿を変え、現にアメリカ三軍の象徴として、あまねく世界を見わたす権威を示すものとされている。
また鳳凰は、古代中国の「天にあっては鳳凰、地にあっては騏麟、海にあっては亀、隆運を運ぶ隆」という四瑞の故事のなかで、特に、聖徳の天子を象徴する霊鳥とされ、日本には仏教とともに伝来し、今なお瑞祥(めでたいしるし)として尊ばれている。
フジサンケイクラシックのトロフィには、この古今東西の故事にちなみ、スポーツを通してグループが願う健全な和と、トーナメントの勝者の権威をあらわすものとして、「双頭の鳳凰」を用いた。
作者の帖佐氏によると、このトロフィの彫り方は、銀の鍛造ふちまげに、毛彫り消金仕上げ手法を用い、さらに、荒らし鏨でならしあげ、裏出しをするという、新しい手法をとっており、この「双頭の鳳凰」に、永遠の生命を注ぎこんだ、としている。
この作品は、その原型から精密鋳造されたもので毎年フジサンケイクラシックの優勝者に贈られている。
日本芸術院会員 日本芸術院賞 文部大臣賞
日展常務理事 日本新工芸家連盟会長
フジサンケイクラシック 運営委員会